<複雑な現象をわかりやすく映像化します>

現在のプロジェクト

 

心臓カテーテル手術を支援する心臓定量化ソフトウェアの研究開発

弁膜症、先天性心疾患、肺血栓塞栓症などの構造的心疾患(SHD:Structural Heart Disease)のために、術前に得られる画像情報から、解剖の3次元可視化、定量・定性評価などを正確かつ円滑に行えるソフトウェアの研究開発が強く求められている。しかしながら、本領域の研究開発は非常に遅れている。商用の医用画像処理システムは主に静的な画像を対象としており、各社ごとに機能が特化している。また、製品価格も高価であるため、汎用的な使用を妨げているのが現状である。

研究用途のオープンなシステム(Osirix、ImageJ、3D Slicer)は利用可能であるが、心臓特有の軟部組織臓器や心臓弁に着目したカテーテル手術を目標としたシステムでないため、機能面において不十分である。

そのため、本共同研究1においては、心臓血管や軟部組織に着目した動的な3D心臓モデル構築を行い、同時にカテーテル操作が可能な術前計画支援システムを研究開発する。カテーテル手術で特に重要な2つの治療手技(ブロッケンブロー手技(心房中隔穿刺)と左心耳閉鎖術)に着目して、治療手技をシミュレーションする機能を実現する。左心耳閉鎖術は左心耳内に血栓が出来るのを防ぐことが可能で、脳梗塞や血栓塞栓症を予防する。左心耳閉鎖デバイスWatchmanは米国で既にFDA承認を獲得しており、日本でも治験の状況にある。

研究期間内では、ブロッケンブロー手技と左心耳閉鎖術が必要な患者に対して、カテーテル経路と左心耳閉鎖のシミュレーション機能を用いて、臨床応用を行いながら、その機能や精度、使い易さを向上させる。術前計画支援機能には、汎用的な3次元画像処理機能(画像表示/画像編集/3Dプリント/計測機能)に加えて、1)各種画像(CT、エコー、SPECT)の位置合わせ、2)大動脈、冠動脈、心臓内腔などを指定したルールや自動検査を行う機能、3)心臓血管内視鏡の機能、を搭載する。様々な治療や研究にも活用可能な汎用的ソフトウェアを目指し、国内外の大学病院や医院に無料で公開し、その有効利用を試みる。さらに特定非営利活動法人やコンソーシアムを設立し、より多くの意見を取り入れながら、ソフトウェアの改良・保守・管理に取り組む。

研究成果:
1)M. Hozawa, Y. Morino, Y. Matsumoto, K. Yoshioka, R. Tnaka, T. Tashiro, A. Kumagai, K. Nagata, A. Doi, “Morphology and Functional Characteristics of the Left Atrial Appendage“, TOPIC2016(Tokyo Percutaneous cardiovascular Intervention Conference 2016), 2016/7.
2)土井章男,関村匠斗,加藤徹,朴澤麻衣子,森野禎浩,”心臓カテーテル手術のための術前計画支援に関する基礎的検討”,日本バーチャルリアリティ学会第30回テレイマージョン技術研究会(可視化情報学会見える化研究会との合同研究会),Vol. 021,No.TTS03,2016.
3)関村匠斗,土井章男,朴澤麻衣子,森野禎浩,”3次元心臓CT画像からの自動冠動脈抽出に関する研究”,第79回情報処理学会全国大会(学生奨励賞), 2017/3.
4)関村匠斗,土井章男,加藤徹,朴澤麻衣子,森野禎浩,”心臓CT画像からの冠状動脈と左心室の自動抽出法”,電子情報通信学会医用画像研究会,2017/5/25-26, 名古屋工大.

1)本共同研究は、公益財団法人JKAの研究支援を得ています。
競輪&オートレースの補助事業

 

 

汎用3次元画像処理とその応用汎用3次元_01

主に医用画像データの処理を行うことを目的とした先進的な3次元画像処理システムを研究開発中です。本システムでは、CTやMRIによって得られた2次元断面画像群から3次元形状モデルを容易に生成することが出来ます。また、3Dプリンタや光造形装置用の出力ファイルを容易に作成出来ます。簡単な対話メニューから操作できるように設計されているため,3次元画像について初心者でも十分使いこなせます。本システムは、Windows XP/Vista/7/8.x(32、64ビット)上で稼働します。 本システムの基盤技術は、3次元画像処理と3次元コンピュータグラフィックスであり、双方の技術をうまく組み合わせることで、より有効なビジュアル・コンピューティング技術の確立を目指しています。本研究成果は、岩手県立大学発ベンチャー企業のアイプランツ・システムズ株式会社に技術移転され、製品名「Volume Extractor Ver.3.0」として、製品化されています。また、本製品は、平成27年4月に公益財団法人りそな中小企業振興財団と株式会社日刊工業新聞社が共催します第27回「中小企業優秀新技術・新製品賞」ソフトウェア部門の奨励賞を受賞しました。
本研究の一部は、文科省基盤研究費(C)、科学技術振興機構A-STEP、経済産業省「医工連携事業化推進事業」から研究助成を受けております。
過去の研究成果

 

高度な骨切り術、人工関節置換術の術前計画支援と人工関節デザインシミュレーション足_ITKA用コンポーネント_4

CTやMRIによる撮影の体位は臥位で行われるのに対しX線CR撮影においては立位で行われています。骨部の相対的位置は体位によって異なるので荷重の掛かる関節部の状態は臥位と立位では一致しません。一般に、体位が異なる医用画像間のレジストレーションは、アフィン変換等による画像処理や相互情報量の計算等が膨大になります。本研究では、骨の特徴点を利用した高速なレジストレーション手法を用いて、荷重状態のレントゲン画像上に大腿骨や脛骨の3次元画像を配置する手法を開発しています。さらに、本手法を利用した、CT画像ベースの骨切り術、人工関節置換術のた3Dベース術前計画支援システムJointVisionを開発しています。CT画像ベースの骨切りやインプラント配置は、正確な3次元空間上で行えるため、従来の術前計画(CR画像ベース)よりも精密な検討が可能です。また、日本人の体型に合った人工関節設計やそのデザインシミュレーションを行っています。現状の人工関節は、材質の寿命の問題(耐久年月は約10~15年)や金属アレルギー問題があります。本研究で使用する材質は、東北大学金属材料研究所の千葉晶彦教授が開発された生体に適した高強度のコバルトクロム合金であるCOBARION(コバリオン)です。我々は、その材質を生かした、世界初の長寿命人工関節の研究開発を目標としています。
平成27年6月には、日本バーチャルリアリティ学会第26回テレイマージョン技術研究会にて、”3次元ベース術前支援システムの構築とその応用”の研究成果が発表されました。

本研究の一部は、文科省地域イノベーション戦略支援プログラム グローバル型(グローバル拠点育成)【いわて県央・釜石地域】、文科省基盤研究費(C)から、研究助成を受けています。

過去の研究成果

 

復興計画の3Dモデル化と人材育成

SanrikuReconstruction_abstract被災地自治体では、住民説明会やホームページで復興計画を説明する際、2次元図面を配布しています。しかし2次元図面では、高さ情報や相対位置を視覚的に捉えるのが困難です。こうした背景を受けて、現在、大槌町、陸前高田市、宮古市の都市計画データを基にして、3次元CADによる3D復興計画モデルを作成し、実際に計画の策定や説明会に活用することで、有効性を評価しています。また、3D復興計画モデルを作成する上での問題として、a)容易なモデル作成手法の確立、b)各自治体や大学での環境整備、c)土木・建設業の3次元CADが扱える人材不足、が挙げられます。これらの問題を解決するため、CIMの概念を取り入れた3D復興計画モデルの作成手法の構築、さんりく沿岸の各自治体や大学における十分な環境の整備、土木・建築業の3次元CAD技術者の育成を目指しています。また、効率的な3Dモデルを作成するために、最新のレーザ計測装置やドローンで撮影したビデオ画像による生成手法の研究を行っています。本研究の一部は、岩手県立大学地域政策研究センターの復興加速化プロジェクトの研究助成を受けています。